松尾先生のプロフィールと研修内容
氏名:松尾清美(マツオ キヨミ )
昭和28年、佐賀県生まれ
合同会社KT福祉環境研究所 代表 https://www.matsuokiyomi.com
活動拠点:佐賀県、活動範囲:全国
医療介護関連:福祉用具プランナー講師
所属団体
①一般社団法人 こうしゅくゼロ推進協議会 代表 https://www.conzero.org/
②NPO法人 福祉用具ネット 理事 https://www.npofukusiyougu.sakura.ne.jp/
③NPO法人 ケアリフォームシステム研究会 顧問 https://www.crsjapan.org/
★研修実績:
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一般企業や福祉用具メーカーなど12社との研究開発と様々な会社の経営者や研究者、技術者などからの相談や研修など
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特養×4、障害者(児)施設×3、特別支援学校×3、リハ専門学校×8、医学系大学×2などの医療職や介護士、教員、学生、当事者への教育
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技術者や経営者、医療介護従事者向けの福祉用具に関する講演や研修
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リハ関連職種への住環境や社会環境での車椅子の使い方や選び方、住まい方等の講習(1994年〜2018年間の日本リハ工学協会車いすS I Gにて)。
★会員へのメッセージ
「高齢となり身体機能が低下していくこと、病気や事故などによって身体に障害が現れること、そして老いて他界していくこと」は、他人事ではない! したがって、自分が年をとって動けなくなったとしても、寝たきりにならないためには、どのような環境で、どのような道具を使って生活をするかを考えて準備することが大切ではないでしょうか。
皆さんは、高齢者や障害者の拘縮や変形を無くし、健やかに過ごしてもらう支援をする様々な職種の支援者ですから、このフォーラムで、福祉用具と生活環境の選び方と使い方、住まい方、ケアの方法などを学び合って、自分や家族の将来のためにも、高齢者や障害者の変形や拘縮を無くす方法を構築していきましょう!
★当フォーラムで実施する研修内容
総論
1. 「こうしゅくゼロ推進協議会の設立目的と方法、想定結果について」
対象:全会員 ※入会時に使用
内容:こうしゅくゼロ推進協議会の目的と方法、福祉用具と生活環境の改善の必要性、抱え上げない介護に期待することなど
2.「日本と海外のケアと生活の考え方の相違」
対象:全会員
内容:日本と海外に於ける高齢者や障害者の生活方法、生活環境、福祉用具、ケアの内容などの比較を行い、今後改善すべきことを伝達する。
3.「生活環境(道具と住宅と家族・介助者)の考え方について」
対象:全会員
内容:42年前に障害者の生活実態調査から研究を始開始し、障害者や高齢者の生活環境の設計研究と福祉機器の設計研究、そしてそれらの研究結果を元にした生活環境改善の相談と設計支援を行なってきた。その事例を基にして、加齢と伴に生活環境改善の必要性と考え方を伝達する。
② 課題共有型
1.「福祉用具と住環境整備で介護負担の軽減と自立(律)生活を実現する」
対象:福祉用具関連会社や職員、施設長、介護職、医療職向け
内容:移乗・移動の動作解析と補助器具の開発、加齢による生活環境(道具と住宅)の調査研究と実際の生活環境設計支援の経験から、多くの事例を通して、福祉用具と生活環境整備による介護負担の軽減方法と自立(律)生活方法を紹介する。
2.「重度の身体障害があっても、暮らしを楽しむ生活を実現できる!」
対象:全会員向け
内容:在宅で暮らしを楽しむ重度身体障害者の移乗・移動方法と生活事例を紹介し、日々の暮らしを楽しむための福祉用具や生活環境の整備方法と生活や人生に関する考え方を探る。カラオケや運動、旅行など。
3.「車椅子の選び方・使い方を理解して支援しよう!」
対象:全会員向け
内容:車椅子での生活経験46年と日本リハ工学協会車いすSIGでの車椅子に関する情報収集や講習会開催24年の経験から、車椅子の移乗・移動・姿勢要素と環境との関連から車椅子の選び方・使い方を伝達する。
③ 課題解決型
1.「高齢者・障害者の自立(律)生活と介護者の介護負担軽減を促進するための施設や住宅の環境改善の相談を受けます。」
対象:経営者、介護職員、医療職、指導員向け
内容:生活環境(道具と環境)を在宅生活者や入所している高齢者や障害者(児)、そして家族や介助者の身体機能や生活習慣、生活方法、介助方法などを分析して、高齢者・障害者(児)の自立(律)生活と介護者の介護負担軽減を促進するための住宅や施設の環境改善相談を受けます。
2.「個々に応じた車椅子の選び方・使い方について」
対象:経営者、介護職員、医療職、指導員向け
内容:車椅子での生活経験46年と日本リハ工学協会車いすSIGでの車椅子に関する情報収集や講習会開催24年、車椅子の製作や選択、使い方相談の経験から、車椅子の移乗・移動・姿勢要素と環境との関連を考慮し、個々の生活に応じた車椅子と福祉用具の選び方・使い方を伝達する。
3.「福祉用具を活用した褥瘡予防」
対象:介護職員、医療職、指導員向け
内容:褥瘡発生のメカニズムから、車椅子やベッドでの体圧計測方法とクッションや姿勢による体圧分散方法について解説する。また、血流を促進して褥瘡を予防する方法などについて、日常生活の中で福祉用具や運動器具などを活用した生活方法や介助方法を伝達する。
4.「車椅子を使って、安心して社会参加する方法を伝えます!」
対象:介護職員、医療職、指導員向け
内容:歩けなくなった方、長い距離を足で歩くと膝折れし転倒しやすい方などは、車椅子を活用することで、旅行や仕事、スポーツ、遊びなどの社会参加が可能になります。車椅子で社会参加を支援するときの心構えや移動方法や公共交通機関や公衆トイレなどの使い方、様々な工夫、楽しみ方などについて伝達します。車椅子での外出や社会参加に不安を持っている高齢者や障害者(児)を介助する方や指導員の方は必見です。
5.「福祉用具開発は使用現場にヒントを見出せ!」
対象:経営者、開発者、向け
関連する課題共有型研修:「福祉用具と住環境整備で介護負担の軽減と自立(律)生活を実現する」
内容:課題共有型で紹介する実生活や介護現場から具体的な開発事例や内容などの解説を行うと共に、開発のヒントを探る。
★講師個人のフォーラムで行う研修や相談の内容
1.「高齢者・障害者の自立(律)生活と介護者の介護負担軽減を促進するための施設や住宅の環境改善の相談を受けます。」×3回
対象:経営者、介護職員、医療職、指導員向け
実際に、住宅や施設の環境改善の研修や相談を受けます。
2.「個々に応じた車椅子の選び方・使い方について」×3回
対象:経営者、介護職員、医療職、指導員向け
高齢者や障害者(児)の車椅子と福祉用具に関しての相談を受けます。
3.「福祉用具を活用した褥瘡予防」×2回
対象:介護職員、医療職、指導員向け
褥瘡を治すための生活方法や予防方法などについて、具体的に伝達する。
4.「車椅子を使って、安心して社会参加する方法を伝えます!」×2回
対象:介護職員、医療職、指導員向け
対象者の車椅子での旅行や仕事、スポーツ、遊びなどの社会参加支援の方法や楽しみ方などについて、具体的に伝達します。
5.「福祉用具開発は使用現場にヒントを見出せ!」×2回
対象:経営者、開発者、向け
具体的な開発対象物に関して、開発のヒントを発掘し情報を提供する。
★自分史(仕事関連)
自分史ムービーwww.youtube.com/watch?v=DtGECayLEHQ
1976年 大学3年の時、交通事故で第9胸髄損傷、以後車椅子での生活。
1977年 宮崎大学工学部 機械工学科に復学し、翌年(1978年)3月卒業。
1979年 総合せき損センター医用工学研究室に就職。2級建築士免許取得し身体障害者の福祉機器開発と生活環境の設計研究、生活行動支援方法の研究、障害者の社会参加支援などを24年間に渡って行った。
1994年 九州芸術工科大学生活環境専攻博士後期課程に入学し、人間工学や解析方法などを学び、1997年3月に同課程を単位取得退学。
2003年 総合せき損センターを退職し、佐賀大学医学部准教授に就任。同時に、両親の高齢化と父の認知症の重篤化で両親の支援も始まる。
医学生や看護学生へ「医療と生活支援技術」や「生活行動支援論」、
「テクニカルエイド」などの教育と並行して、福祉機器や生活環境の設計研究や12社との福祉機器開発、そして高齢者や障害者・児の生活行動支援を継続。(相談件数1万件,特許43件,住宅設計2000件)
2001年〜2006年 日本リハビリテーション工学協会 理事
2007年〜2010年 日本リハビリテーション工学協会 理事長
2017年 石橋副代表と共に、一般社団法人こうしゅくゼロ推進協議会を設立
2019年 佐賀大学医学部を定年退職し、合同会社KT福祉環境研究所 代表
スローガン「福祉機器と生活環境で暮らしを楽しくする会社。
★自分史(スポーツや運動関連)
1977年 車椅子でできる卓球や車椅子バスケットボールの練習に初めて参加
1980年 スポーツの中でハンディキャップのないアーチェリーを楽しむ
1981年 大分車椅子ハーフマラソン(第1回)に参加し完走.第2回も完走
1983年 ホノルル国際マラソンに参加し42.195kmを3時間45分で完走し、ツーバウンドまで有効な車椅子テニスを経験して帰国し、練習開始
1984年 神奈川県総合リハビリテーションセンターを中心として開催された第1回車椅子テニス競技大会に参加し、シングルス優勝、ダブルスも(神奈川の大井選手とペアを組み)優勝して福岡へ凱旋。
1984年 ホノルルで開催されたパンパシフィック車椅子テニス大会に参加。
1985年 第1回飯塚国際車いすテニス大会を飯塚市や市民、ボランティア団体、総合せき損センター、西日本新聞社などの協力を頂いて準備し選手として参加した。以後、2003年に総合せき損センターを退職するまで、毎年実行委員会の競技委員長を勤めながら、競技にも参加した。この大会は現在もジャパンオープンとして継続されている。
2000年頃まで、現役の選手として全国大会や国際大会に参加すると共に、多くの選手や協力者と協力して、車いすテニスプレーヤーズ協会や車いすテニス協会の設立に奔走した。この間の主な戦績を以下に示す
■1985年 ジャパンオープン ダブルスOPEN 3位(ペアは植木政利選手)
◆1986年 日本車いすテニスランキング シングルス1位 ダブルス 5位
◆1987年 日本車いすテニスランキング シングルス1位 ダブルス 3位
■1988年 ジャパンオープン シングルスOPEN 準優勝
◆1988年 日本車いすテニスランキング シングルス2位 ダブルス 2位
◆1989年 日本車いすテニスランキング シングルス5位 ダブルス 13位
■1991年 平和カップイン広島 シングルスOPEN 優勝 ダブルスOPEN優勝
2003年 大学へ異動後は、テニスをする時間もなく仕事や研究開発に没頭。その中で、車椅子選手の現役引退後や運動ができない重度障害者の成人病予防のための運動器具や血流を良くする機器の設計開発を行ない、自ら運動や血流促進を図って健康維持に努めている。
★共著書,著書
・ケアマネジメントのための福祉用具アセスメントマニュアル(中央法規出版)
・車いすのヒューマンデザイン;共同執筆、医学書院、2000.
・最新版・テクニカルエイド(福祉用具の選び方・使い方):三輪書店,2003.
・福祉用具支援論-自分らしい生活をつくるために-,テクノエイド協会,2006.
・社会復帰のための工学的支援、脊髄損傷者の社会参加マニュアル、NPO法人
日本せきずい基金、p109-p120、2008.2
・子供のための機器開発‐子供用電動車いす、テクノプラス、p45~p49、2009.
・リハビリテーション工学による高齢者や障害者の生活行動支援Japanese
Journal of Rehabilitation Medicine,VOL.47 NO.1, 42-46、2010.
・疾患別の車いす処方・選び方―オーダーメイド車いすを中心に―,脊髄損傷者のための車いす、日本義肢装具学会誌 26巻3号, 165-170、2010.
・車いすの使い方,第11回車いす・シーティング技能者講習会テキスト,397-412,2012.
・生活と車椅子、車椅子の基礎、第37回日本リハビリテーション工学協会車いすSIG講習会テキスト,p11~p20, 那覇, 2013.
・障害者(児)の生活環境改善による生活動作の改善、地域リハビリテーション、第8巻第1号、p29-35、2013.
・自動車運転用補助装置・特殊自動車、JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION、Vol.22, No.5, 2013.
・車いすテニスの普及とジャパンオープン第1回大会(1985年),時代を読む、ノーマライゼーション障害者の福祉、Vol.8、p5、2013.
・障害者(児)の生活環境改善による生活動作の改善、地域リハビリテーション、第8巻第1号、p29-35、2013.
・障害者差別(解消法)と工学、リハビリテーション・エンジニアリング、Vol.29、No.4, p220 –p223, 2014.
・寝たきりにならないで自立(律)生活を続けるため、人生での移動補助機の必要性と位置づけ~移乗・移動・姿勢の考え方~、Poti,Vol.32、p7-p9、2015
・車いす-、下肢救済マニュアル, 学研メディカル秀潤社、p336~p341, 2014.
・障害者総合支援法における車椅子処方の考え方と工夫、第41回日本リハビリテーション工学協会車いすSIG講習会テキスト,p56~p64,2015.
・「障害受容はいのちの受容」,頸髄損傷からの社会復帰,ヒポ・サイエンス出版株式会社,丸山柾子、松尾清美 著,2016,